骨盤臓器脱

婦人科

子宮筋腫

2016年手術実績 249

骨盤臓器脱とは

膀胱や子宮、子宮摘除後の腟断端直腸、小腸などの骨盤内の臓器が腟に向かって落ちてくるのが骨盤臓器脱です。更年期以降の女性に多く、出産を経験した女性の約半数が何らかの骨盤臓器脱を経験すると言われるほど、よく見られる症状です。女性の骨盤の底にあるハンモック状に張った靭帯や筋肉などからなる骨盤底が骨盤内の臓器を支えています。それが出産や加齢で弱くなると支えを失った臓器が重力によって下垂し、臓器脱が起こります。股に何かが挟まったような不快感や排尿・排便障害などの症状が現れます。骨盤臓器脱は羞恥心や年齢を理由に受診をせずに悩んでいる女性も少なくありません。女性泌尿器科で適切な治療が受けられますので、相談してみましょう。

 

骨盤臓器脱とは

骨盤臓器脱とは
骨盤臓器脱とは

膀胱や子宮、子宮摘除後の腟断端直腸、小腸などの骨盤内の臓器が腟に向かって落ちてくるのが骨盤臓器脱です。更年期以降の女性に多く、出産を経験した女性の約半数が何らかの骨盤臓器脱を経験すると言われるほど、よく見られる症状です。女性の骨盤の底にあるハンモック状に張った靭帯や筋肉などからなる骨盤底が骨盤内の臓器を支えています。それが出産や加齢で弱くなると支えを失った臓器が重力によって下垂し、臓器脱が起こります。股に何かが挟まったような不快感や排尿・排便障害などの症状が現れます。骨盤臓器脱は羞恥心や年齢を理由に受診をせずに悩んでいる女性も少なくありません。女性泌尿器科で適切な治療が受けられますので、相談してみましょう。

更年期以降の女性に多い不具合

子宮や膀胱、尿道、直腸、小腸などの骨盤内の臓器が膣に向かって落ちてくるのが骨盤臓器脱です。更年期以降の女性に多く、出産を経験した女性の約半数が何らかの骨盤臓器脱を経験すると言われるほど、日常的によく見られる症状です。

女性の骨盤の底には、骨盤底筋群という筋肉がハンモック状に張っていて、骨盤内の臓器を支えています。その骨盤底筋群やその中の神経が出産によって傷ついたり、加齢によって緩んだりすると、支えを失った臓器が重力によって下垂し、臓器脱が起こります。「膀胱脱」や「直腸瘤」があると排尿・排便障害などの症状が現れる他、もっとも重症になると子宮や周囲の臓器に押された膣が体の外にめくれ出て、子宮が股間にぶらさがる「子宮脱」になります。骨盤臓器脱は羞恥心や年齢を理由に受診をせずに悩んでいる女性も少なくありません。女性泌尿器科で適切な治療が受けられますので、相談してみましょう。

症状

臓器の下垂(脱)が軽度であれば、ほとんどの場合、症状はありません。
脱が進行すると部位によって様々な症状が現れます。

・股から何かがでてきた
・横になったり、座ったりすると股から出てきたものが引っ込んで元に戻る(重度に進行すると戻らなくなる)

股から何かが出てくる症状に伴って、尿や便についての症状が出ることもあります。

・頻尿、尿失禁
・尿が出にくい
・排尿時や排便時に手で腟を押さないと出ない

原因

腹圧が強くかかる動作・習慣も骨盤臓器脱のリスクを高めます。臓器は重力によって下垂するので、寝ているときは症状がなく、起きている間、特に午後から夕方になると症状が重くなるのも特徴です。

・出産や加齢による骨盤底のゆるみ
・肥満
・慢性の咳
・重いものを持ち上げる動作
・慢性の便秘など

治療法

治療法
骨盤臓器脱の治療の柱は、体操や腟内装具などの保存的治療と手術に大別されます。臓器脱の程度や症状、年齢、身体状況、ライフスタイルなど総合的に考え合わせて治療法を選択しましょう。

【骨盤底筋体操】

臓器の下垂が軽度であれば骨盤底筋体操で改善が望めます。腟口から少し臓器が顔をだすようになって、脱による不快感や尿失禁などの症状がある場合でも、骨盤底筋体操を根気よく続けると、よくなる例も見られます。直接指導を受けられていない方の体操が間違っていることを高頻度に経験しますので、体操をしても改善しない場合は受診をお勧めします。

【腟内装具】

リングやペッサリーなどの膣内装具を挿入し、下垂している臓器を持ち上げる方法も有効です。自分で着脱ができれば、安全に長期間の使用も可能です。

  • ウォーレスリング・ペッサリー
    (保険適応)

  • ミレックス・ペッサリー
    (保険適応外)

【手術】

体操での改善が見込めない場合や、腟内装具の使用を希望されない場合は手術が勧められます。手術は大きく分けて3種類あります。年齢や病状、ライフスタイルによっても選択肢は異なりますので、ご自身に合った手術法を医師と相談のうえ選択することが大事です。

● 改良型TVM手術

人工材料のメッシュを用いて経腟的に脱を修復します。再発率が低く、手術時間も短いことが特徴です。膀胱下垂の場合、メッシュを使用しないと再発率が高いと報告されているため、多くの方がメッシュ手術を選択されます。当施設において、海外で問題になっている合併症のメッシュ露出は大変少なく、1%未満です。膣を補強するメッシュを最小限の使用とし、脱のタイプによってはメッシュを使用しないNTR手術を併用しています。当施設での入院期間は3日間です。

※使用するメッシュは国産の製品です。

● 経腟的なメッシュを使用しない骨盤臓器脱修復手術 (NTR:Native Tissue Repair)

ご自身の組織を使って脱を修復する従来法とよばれるものです。メッシュの合併症を極力避けたい方や、内科的合併症により、メッシュ使用が望ましくない方が選択されています。一口にNTRと言っても、子宮を温存する方法から摘出する方法、若い方からご高齢の方まで選択できる方法と、様々な術式があります。膀胱の下垂に対しては再発率が高いという欠点があります。当院では3日間の入院です。

● LSC手術(腹腔鏡下でメッシュ使用の骨盤臓器脱修復手術)

おなかに数カ所の小さな穴を開けて行う腹腔鏡によるLSC手術です。子宮の大半を摘出した上で、残した子宮腟部に(すでに子宮を摘出されている方は腟に)メッシュを留め、そのメッシュを骨盤の中央にある仙骨上方に固定する方法です。術後の性機能を重要視したい方、直腸側の腟にもメッシュを入れて補強する必要がある方に適しています。当院では4日間の入院です。

当院での治療法

骨盤臓器脱の治療の柱は、体操や腟内装具などの保存的治療と手術に大別されます。臓器脱の程度や症状、年齢、身体状況、ライフスタイルなど総合的に考え合わせて治療法を選択しましょう。

保存的治療法の一つに、骨盤底筋体操があります。軽症の骨盤臓器脱に有効です。

この体操で脱が治るということはありませんが、脱の進行がくい止められ、脱に関連する痛みが緩和されたり、尿失禁の改善が期待できます。またこの治療は即効性はあまり期待できませんが、根気強く続けることで、自分の力で症状の改善を得ることができます。当院女性泌尿器科では専門スタッフが骨盤底筋体操指導を行っています。

もう一つが膣内装具(イントロール、ペッサリーなど)です。膣内装具で脱を元の位置にもどして症状をとる方法があります。

避妊具用のペッサリーがよく使われますが、脱の症状は取れても腹圧性尿失禁がひどくなる場合がありますので、適したものを選択することが大事です。当院では、尿失禁にも子宮脱などの骨盤臓器脱にも対応できる膣内装具を準備しています。気になるときだけ使用する自己着脱を指導させていただいています。

骨盤底筋体操

臓器の下垂が軽度であれば骨盤底筋体操で改善が望めます。腟口から少し臓器が顔をだすようになって、脱による不快感や尿失禁などの症状がある場合でも、骨盤底筋体操を根気よく続けると、よくなる例も見られます。直接指導を受けられていない方の体操が間違っていることを高頻度に経験しますので、体操をしても改善しない場合は受診をお勧めします。

腟内装具

リングやペッサリーなどの膣内装具を挿入し、下垂している臓器を持ち上げる方法も有効です。自分で着脱ができれば、安全に長期間の使用も可能です。

手術

体操での改善が見込めない場合や、腟内装具の使用を希望されない場合は手術が勧められます。手術は大きく分けて3種類あります。年齢や病状、ライフスタイルによっても選択肢は異なりますので、ご自身に合った手術法を医師と相談のうえ選択することが大事です。

【経腟ミニマルメッシュ手術(改良型TVM手術)】

人工材料のメッシュを用いて経腟的に脱を修復するミニマルメッシュ経腟手術(改良型TVM手術)があり、再発率が低く、手術時間も短いです。特に膀胱の下垂ではメッシュを挿入しないことでの再発率が高いと報告されていることもあり、メッシュ手術を選択される方が多いです。当施設でのメッシュ露出の合併症は1%未満と大変少ないですが、再発とともに、合併症の心配も最小限にすべく、メッシュを必要最小限の使用とし、メッシュを使用しないNTR手術を併用することも多いです。当院では3日間の入院です。

【経腟的なメッシュを使用しない骨盤臓器脱修復手術 (NTR:Native Tissue Repair)】

ご自身の組織を使って脱を修復する従来法とよばれるものです。メッシュの合併症を極力避けたい方や、内科的合併症により、メッシュ使用が望ましくない方が選択されています。一口にNTRと言っても、子宮を温存する方法から摘出する方法、若い方からご高齢の方まで選択できる方法と、様々な術式があります。膀胱の下垂に対しては再発率が高いという欠点があります。当院では3日間の入院です。

【LSC手術(腹腔鏡下でメッシュ使用の骨盤臓器脱修復手術)】

おなかに数カ所の小さな穴を開けて行う腹腔鏡によるLSC手術です。子宮の大半を摘出した上で、残した子宮腟部に(すでに子宮を摘出されている方は腟に)メッシュを留め、そのメッシュを骨盤の中央にある仙骨上方に固定する方法です。術後の性機能を重要視したい方、直腸側の腟にもメッシュを入れて補強する必要がある方に適しています。当院では4日間の入院です。

TVM(Tension-free Vaginal Mesh)手術

当院では、患者さんの状態にあわせて、近年欧米で主流の小さなメッシュを使用するタイプのTVM手術を行っています。小さなメッシュを使用することで、頻度は大変少ないですがメッシュに伴う合併症を極力減らそうとしています。

2000年にフランスの婦人科医コッソンらは、骨盤臓器脱(性器脱)に対する従来の手術方法の高い再発率を改善させるべく、ポリプロピレンのメッシュで弱くなった支持組織を置き換える術式を開発しました。これが Tension-free Vaginal Mesh手術(TVM手術、経膣メッシュ手術)です。比較的新しい術式ですが、日本においても優れた人工材料が市販されるようになり、しだいに広まりつつある患者満足度も高い手術です。

TVM手術以外の経腟的骨盤臓器脱修復術

経腟メッシュ手術が開発される前から行われている手術です。
患者さんご自身の組織を使って修復しメッシュを使用しないため、メッシュ使用の手術とくらべ骨盤臓器脱の再発率は高いといわれています。しかし、脱のタイプでNTRでも再発率が低いと考えられる方、合併症により侵襲の少ない手術が必要な方、生活活動の状況により再発のリスクが低いと考えられる方、挙児希望の方、性機能を重視される方、メッシュによる合併症発生のリスクが高いと考えられる方などには大変良い手術ですのでおすすめさせていただいています。子宮をとらない方法もあります。
具体的には腟壁形成術、経腟的子宮仙棘靱帯固定術、マンチェスター手術、膣閉鎖術などが挙げられます。

2. 腹腔鏡下骨盤臓器脱修復術

- 腹腔鏡下でのメッシュ使用の骨盤臓器脱修復手術(● LSC(Laparoscopic sacrocolpopexy)手術 腹腔鏡を用いた腟仙骨固定術)

腹腔鏡下にメッシュを用いて膣尖部または子宮頸部を仙骨に固定する手術方法です。骨盤臓器脱と子宮疾患を合併している方、性機能を重視される方などにおすすめさせていただいています。

女性泌尿器科と連携の上、腹腔鏡手術の経験豊富な婦人科専門医が保険診療で行っています。手術治療は日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医であり、また技術認定医審査を担う技術認定制度委員でもある子安センター長(婦人科)、同じく技術認定医である西尾医師、山田医師のもと実施しております。

治療のながれ

手術までの流れ

1Swanの会への参加

当院での治療を希望される場合は、症状やお悩みを詳しくお伺いしたいため、受診前にグループ相談会への参加をお願いしております。以下すべてに該当する方は参加不要です。
① 他院で診断を受け、当院で手術希望の方
② 当院への紹介状をお持ちの方
tel:03-3261-0414(受付時間:9時~17時/日・祝除く)

2外来

症状についてお伺いし、必要に応じて各種検査を行ったうえで、骨盤臓器脱の治療方針を決定します。

    • 【正常のシネMRI動画】

      【正常のシネMRI動画】

    • 【膀胱瘤のシネMRI動画】

      【膀胱瘤のシネMRI動画】

【正常のシネMRI動画】

【正常のシネMRI動画】

【膀胱瘤のシネMRI動画】

【膀胱瘤のシネMRI動画】

    • 【子宮脱のシネMRI動画】

      【子宮脱のシネMRI動画】

    • 【直腸瘤のシネMRI動画】

      【直腸瘤のシネMRI動画】

【子宮脱のシネMRI動画】

【子宮脱のシネMRI動画】

【直腸瘤のシネMRI動画】

【直腸瘤のシネMRI動画】

    • 【小腸瘤・膣断端脱のシネMRI動画 (子宮摘除後の方)】

      【小腸瘤・膣断端脱のシネMRI動画】
      (子宮摘除後の方)

【小腸瘤・膣断端脱のシネMRI動画 (子宮摘除後の方)】

【小腸瘤・膣断端脱のシネMRI動画】
(子宮摘除後の方)

3手術(手術適応となった場合)

初診から1~2ヶ月ほどで実施可能です。手術日の当日に入院して頂きます。手術実施時間帯は必ずご家族に病室にて待機して頂きます。
手術後は6週間の安静が必要です。

手術までの流れ

手術までの流れ

1Swanの会への参加

当院での治療を希望される場合は、症状やお悩みを詳しくお伺いしたいため、受診前にグループ相談会への参加をお願いしております。以下すべてに該当する方は参加不要です。
① 他院で診断を受け、当院で手術希望の方
② 当院への紹介状をお持ちの方
tel:03-3261-0414(受付時間:9時~17時/日・祝除く)

2外来

症状についてお伺いし、必要に応じて各種検査を行ったうえで、尿失禁の治療方針を決定します。

【シネMRI正常の動画】

【シネMRI正常の動画】

【シネMRI腹圧性尿失禁の動画】

【シネMRI腹圧性尿失禁の動画】

3手術(手術適応となった場合)

初診から1-2ヶ月ほどで実施可能です。手術日の当日に入院して頂きます。手術実施時間帯は必ずご家族に病室にて待機して頂きます。
手術後は6週間の安静が必要です。

受診の際は「こんなこと聞いてもいいのかしら」ということでも疑問や不安はそのままにせず、お気軽にご相談ください。あなたにとって満足のいく治療を実現するために一つ一つ解決していきましょう。

1Swanの会への参加

当院での治療を希望される場合は、症状やお悩みを詳しくお伺いしたいため、受診前にグループ相談会への参加をお願いしております。
以下すべてに該当する方は参加不要です。
① 他院で診断を受け、当院で手術希望の方
② 当院への紹介状をお持ちの方
tel:03-3261-0414(受付時間:9時~17時/日・祝除く)

2外来

症状についてお伺いし、必要に応じて各種検査を行ったうえで、骨盤臓器脱の治療方針を決定します。

3手術(手術適応となった場合)

初診から1-2ヶ月ほどで実施可能です。手術日の当日に入院して頂きます。手術実施時間帯は必ずご家族に病室にて待機して頂きます。

4外来2回目

超音波などの検査を行った上で、診察となります。各種検査・質問票の結果より、治療方針を決定します。

5麻酔前検査・手術説明の外来

手術方法等についてご説明いたします。手術説明は必ずご家族と一緒の受診が必要になります。

6麻酔科外来・入院説明

麻酔方法等の説明を麻酔科医師からご説明を致します。 また、入院期間の確認や支払方法・持ち物等をご説明致します。

7入院~手術

①から1-2ヶ月ほどで実施可能です。手術日の当日に入院して頂きます。手術実施時間帯は必ずご家族に病室にて待機して頂きます。

手術費用(手術適応となった場合)

手術費用(概算)
手術費用(概算)

ミニマルメッシュ経腟手術(改良型TVM手術)/メッシュ使用

入院予定期間3割負担概算金額
3日間 25万円

LSC手術/メッシュ使用

入院予定期間3割負担概算金額
4日間 38万円

NTR手術/メッシュ不使用

入院予定期間3割負担概算金額
3日間 17万円

※保険の負担割合は患者さまによって異なります。
※保険診療のため、高額療養費制度の対象となります。

担当医

嘉村 康邦

生活の質(QOL)を低下させる代表的疾患である排尿障害を専門とし、20年以上の研鑽を積んできました。女性泌尿器科一般や前立腺肥大症、神経因性膀胱、夜尿症を得意とする泌尿器科医です。特に尿失禁や骨盤臓器脱などの女性泌尿器科領域の手術療法に関しては、常に最先端の技術を積極的に本邦に取り入れ、普及に努めています。

西尾 元宏

入院中や手術、退院後の患者様のいろいろな不安を解消できますように努めます。

山田 昌代

婦人科良性腫瘍に対して腹腔鏡を駆使し侵襲の少ない手術を施行するとともに、入院生活では術後の早期回復につながるための取り組み(術後回復力強化プログラム)を行っています。入院生活を快適に過ごし、早期に普段の生活に戻れるようサポートします。

手術費用(概算)

術式入院予定期間3割負担概算金額
ミニマルメッシュ経腟手術(改良型TVM手術)/メッシュ使用 3日間 ¥250,000
LSC手術/メッシュ使用 4日間 ¥380,000
NTR手術/メッシュ不使用 3日間 ¥170,000

※保険の負担割合は患者さまによって異なります。
※保険診療のため、高額療養費制度の対象となります。

治療法

治療法
骨盤臓器脱の治療の柱は、体操や腟内装具などの保存的治療と手術に大別されます。臓器脱の程度や症状、年齢、身体状況、ライフスタイルなど総合的に考え合わせて治療法を選択しましょう。

【骨盤底筋体操】

臓器の下垂が軽度であれば骨盤底筋体操で改善が望めます。腟口から少し臓器が顔をだすようになって、脱による不快感や尿失禁などの症状がある場合でも、骨盤底筋体操を根気よく続けると、よくなる例も見られます。直接指導を受けられていない方の体操が間違っていることを高頻度に経験しますので、体操をしても改善しない場合は受診をお勧めします。

【腟内装具】

リングやペッサリーなどの膣内装具を挿入し、下垂している臓器を持ち上げる方法も有効です。自分で着脱ができれば、安全に長期間の使用も可能です。

  • ウォーレスリング・ペッサリー
    (保険適応)

  • ミレックス・ペッサリー
    (保険適応外)

【手術】

体操での改善が見込めない場合や、腟内装具の使用を希望されない場合は手術が勧められます。手術は大きく分けて3種類あります。年齢や病状、ライフスタイルによっても選択肢は異なりますので、ご自身に合った手術法を医師と相談のうえ選択することが大事です。

● 経腟ミニマルメッシュ手術(改良型TVM手術)

人工材料のメッシュを用いて経腟的に脱を修復するミニマルメッシュ経腟手術(改良型TVM手術)があり、再発率が低く、手術時間も短いです。特に膀胱の下垂ではメッシュを挿入しないことでの再発率が高いと報告されていることもあり、メッシュ手術を選択される方が多いです。当施設でのメッシュ露出の合併症は1%未満と大変少ないですが、再発とともに、合併症の心配も最小限にすべく、メッシュを必要最小限の使用とし、メッシュを使用しないNTR手術を併用することも多いです。当院では3日間の入院です。

※当院では国産のメッシュを使用しています。

  • 従来のメッシュ

  • 現在のメッシュ

  • 従来のメッシュ

  • 現在のメッシュ

● 経腟的なメッシュを使用しない骨盤臓器脱修復手術 (NTR:Native Tissue Repair)

ご自身の組織を使って脱を修復する従来法とよばれるものです。メッシュの合併症を極力避けたい方や、内科的合併症により、メッシュ使用が望ましくない方が選択されています。一口にNTRと言っても、子宮を温存する方法から摘出する方法、若い方からご高齢の方まで選択できる方法と、様々な術式があります。膀胱の下垂に対しては再発率が高いという欠点があります。当院では3日間の入院です。

● LSC手術(腹腔鏡下でメッシュ使用の骨盤臓器脱修復手術)

おなかに数カ所の小さな穴を開けて行う腹腔鏡によるLSC手術です。子宮の大半を摘出した上で、残した子宮腟部に(すでに子宮を摘出されている方は腟に)メッシュを留め、そのメッシュを骨盤の中央にある仙骨上方に固定する方法です。術後の性機能を重要視したい方、直腸側の腟にもメッシュを入れて補強する必要がある方に適しています。当院では4日間の入院です。